卒業と入学と

自分の子供がそうした季節を迎えるに当たり、自分自身が昔経験した卒業、入学のころを思い出す。
小学校の卒業はほとんどの友達が同じ中学校へ入学することもあり、普通に学年が変わるのと気持ち自体はあまり変わらなかったことを思い出す。

では半数は違う高校へ進学する中学校の卒業式では寂しい思いがあったのかと言うと、受験で忙しかったこともあるが、それだけではなく新しい環境での新しい出会いの胸を膨らませていた自分を思い出す。
こう思うと、昔から人が好きで社交的だったのかもなぁ、と今更ながら思う。

自分自身では自分は人見知りだと、ずっと思っていたのだが、どうやら違ったようだ。

だがしかし、さすがにみんなが離れ離れになってしまう高校の卒業式では号泣して「仰げば尊し」をちゃんと歌うことができなかった。
当時仲が良かった友達の一人に大笑いしながら「泣いてると思ったわ。」と言われたことを鮮明に覚えている。

でも、春になると毎年ウキウキした気持ちになれるのは、生きてきた中で何度となく経験してきた春が、楽しいことのほうが多かったことを証明しているのだと思う。

特に春に出会いがあるわけでもないが、やはり今年もなんだかウキウキする。

だから、今年卒業した子供に尋ねてみた。「卒業したから寂しい?」


「それより、新しい学校が楽しみ!」

やっぱり私の子だな(笑)


今の子供たちは私たちの子供の頃よりも、SNSやLINEなどで簡単に繋がり続けることができるから、余計にそうなのかもしれないけども。


私たちのころは、携帯も無く連絡するには家の電話を使って連絡をするか公衆電話を使うか、友達の家まで出向いて行くしかなかったから、話足りないことは手紙に書いて次の日に学校で渡すなどが当たり前だった。

それもみんなそれぞれの個性が詰まった楽しい手紙だった。
えが得意な友達はその時の気持ちを絵で表していたり、好きなアーティストの唄の歌詞を添えてくれる友達。本当に飽きない楽しいものだった。

LINEやSNSの発達でそうした表現の場が少なくなっているのは少し悲しい。